展覧会に行ってきました
熊本のつなぎ美術館へ行ってきました。
お疲れモードだったので初めての肥薩おれんじ鉄道で行く事にしましたが、いきなり思い立って行く事にしたので往復できるのはあと30分後くらいに出る電車のみで、相変わらずの行き当たりばったりだなと思いつつ、どこかワクワクで出発しました。
肥薩おれんじ鉄道は、JRとのアクセスがなかなかにハードルが高く、高校生に混じってホームをダッシュする場面も(笑) 無事に着いて何よりでした。
美術館へは、淺井裕介さんの「つなぎの根っこ」プロジェクトのこの白い小さな方が導いてくれました。
加茂昂さんの作品はずっと観てしまう独特の求心力を持っているように思いました。そして、スケッチが素晴らしかった!その数もさることながらその色と勢いが私の頭の中を気持ち良く刺激していき、どんどんテンションが上がっていくのがよくわかりました。
ご本人曰く、「その風景が最も美しいタイミングを捉えようと季節や時間を変えて何度もスケッチしたが、その美しい瞬間に目が追い付かず苦労した。でもそのうち追いつくようになり面白くなった。」というスケッチは、観ているとその刻々と変わる風景とその時を捉えようと対峙した作家の高揚感が伝わってくるようで、こちらまで気分が上がり、1階の作品と3階のスケッチ群を何度も行き来しました。
スケッチにはあって作品がなかった「競舟」を観てみたかったなぁ。
最後は馬に見送られ、津奈木町を後にしました。
アーティスト・イン・レジデンスということで今なお進行形の水俣病にも向き合った加茂さん。4カ月ほどの滞在期間でどう自分なりにまとめるか苦悩された様子。水俣病に関連する石像の絵コンテに寄せられたご本人のコメントで、思わずメモしてきた言葉。
「例えば、ひとつの意志を千年くらい忘れないためには、そこに祈りという態度が含まれていくことが重要なんだろうなと思っています。」
311のことや熊本地震、遠く欧州の教会で見た絵など、いろんなシーンが一気に頭に浮かびました。
本当に美術館だけを訪ねるひとり旅になりましたが、今見たかったものを観たような満足する旅でした。
加茂昂 その光景の肖像 は明後日12日まで。
http://www.town.tsunagi.lg.jp/Museum/page1976.html