「私のアートな1日」
4月8日。ビジネスホテルの無料朝食サービスは午前9時まで。終了15分前にサービスコーナーへ降りていくと、もう誰もいなかった。ポタージュスープとレーズンロールとゆで卵。最後にコーヒーをすすってから、また部屋に戻ってゆっくり支度する。最初に行こうとしている谷山の「三宅美術館」は午前10時オープン。早く出発しても仕方がない。
9時半、レンタカーのナビをセットしてスタート。最後は住宅地のかなり細い道をちょっと心細くなりながらハンドルを切っていくと三宅病院のはす向かいに瀟洒な建物が見えてきた。一階の隅に陶芸展示のコーナーがあり、2階が絵画の展示フロアだ。この美術館は企画展をやることが通常多いのだが、訪れたときはありがたいことに「収蔵品展」。初めて訪れる私にとっては、この美術館の性格を知ることができてむしろ嬉しい。海老原喜之助画伯をはじめとする地元ゆかりの作家を中心としたコレクション。ゆったりとした展示スペースで心地よく鑑賞できる。一階の陶芸コーナーでは長太郎焼3代目有山流石のミニ作品展が開かれていた。これらを約1時間かけて楽しんだあと、市内城山町の「黎明館」に向かった。開催中の「第36回鹿児島陶芸展」では県下の陶芸家の力作がズラリと並び、創作部門109点、テーマ部門125点をすべて見るのは実に疲れる。やはり鹿児島は陶芸という文化の底辺が、広く深いのだろう。昨年、東京で見た日本で最大規模の陶芸公募展「日本陶芸展」を見たときより、惹かれる作品が多く感じられたような気がする。
次いで、すぐ近くの「市立美術館」へ。ここは今年2回目だ。2階で収蔵品の常設展と企画展をやっている。通常入場料金200円だが、一年間何度でも入れる年間パスポートが400円という破格の安さ。鹿児島の人ならいつもそれを財布に忍ばせておけば、ちょっと時間のあるとき、気軽に一流の美術に触れられるので、心豊かな気分じゃないかな?たとえ滅多に行かなくてもね。市立美術館の1階では「日本に向けられたヨーロッパ人の眼」という入場無料の写真展の初日。2時からの出品作家によるギャラリートークに参加してみた。イギリスとルーマニアからの写真家が、昨年、鹿児島で撮影した自分の写真について語る。キュレーターの方も参加されてたので、いろんな角度でのハナシが聞けて面白い。展覧会には、けっこうこのようなイベントが組まれているので、積極的に参加することで、何倍にも展覧会が楽しめる。
さて、私はこの日のうちに行きたいところがあった。栗野の「霧島アートの森」だ。市内からだと遠く感じるが、高速を使っていけば実は1時間ほどで着ける。最終入場は4時半までだが、私は3時45分には入場することができた。アートの森は、もちろん屋外のいたるところに設置された作品を見て回るのが醍醐味だが、すでに2回ほどじっくりとそれは楽しんでいるので、今回は屋内展示場の『コレクション展」が目的だ。過去、そのスペースで開催されていた企画展を見てきたが、収蔵作品を見たことがなかったのだ。「アートの森」のウエブサイトでそれらの作品を知ることができるが、それはなかなか興味深い作品が多い。閉館5時の10分前まで、それらをたっぷり堪能させてもらい、最後に屋外に出て、緑豊かな気持ちのいいオープンエアーを楽しんだ。美術の展示場はおおむね5時閉館というところが多い。しかし一日はまだまだある。鹿児島で夜もアートに接するところがいくつかある。その一つが市内繁華街の中心地天文館にある。その名も「天文館画廊」。ここは夜7時までオープンしている。1階は普段使いにいいオシャレな陶器を並べ、2階がギャラリーだ。私が訪れたときは日本でも最大規模の公募展「国展」に何度も入選している畠中チエ子さんの個展が開かれていた。作者も在廊されていて、作品を前にいろいろお話させていただいた。ギャラリーは無料で作品と作家に直接出会えるステキな場所だ。 そしてさらに遅くまで開いているアートな場所が紫原の高台にある「Mizuho Oshiro ギャラリー」だ。ここはセンスのいい喫茶「hanasakan cafe」が併設されている。クローズタイムは午後10時。この日は驚いたことに今をトキメク女性フォトグラファー「蜷川実花展」が開催されていた。カフェでは原色バリバリの作風である蜷川実花作品をイメージした創作ケーキが特別メニューとして用意されていた。ギャラリー鑑賞後さらに、美味しくて楽しいひとときが過ごせる実に心憎いサービスだ。このカフェは日中は桜島が眼前に迫り、夜は鹿児島の夜景が楽しめる贅沢なロケーション。鹿児島アート巡りの一日の最後を飾るには、これ以上の場所はない!そんな気分になること間違いなしの場所なのだ。
三宅美術館
鹿児島県歴史資料センター「黎明館」
鹿児島市立美術館
霧島アートの森
天文館画廊
Mizuho Oshiro ギャラリー(HANASAKAN Caf'e)
9時半、レンタカーのナビをセットしてスタート。最後は住宅地のかなり細い道をちょっと心細くなりながらハンドルを切っていくと三宅病院のはす向かいに瀟洒な建物が見えてきた。一階の隅に陶芸展示のコーナーがあり、2階が絵画の展示フロアだ。この美術館は企画展をやることが通常多いのだが、訪れたときはありがたいことに「収蔵品展」。初めて訪れる私にとっては、この美術館の性格を知ることができてむしろ嬉しい。海老原喜之助画伯をはじめとする地元ゆかりの作家を中心としたコレクション。ゆったりとした展示スペースで心地よく鑑賞できる。一階の陶芸コーナーでは長太郎焼3代目有山流石のミニ作品展が開かれていた。これらを約1時間かけて楽しんだあと、市内城山町の「黎明館」に向かった。開催中の「第36回鹿児島陶芸展」では県下の陶芸家の力作がズラリと並び、創作部門109点、テーマ部門125点をすべて見るのは実に疲れる。やはり鹿児島は陶芸という文化の底辺が、広く深いのだろう。昨年、東京で見た日本で最大規模の陶芸公募展「日本陶芸展」を見たときより、惹かれる作品が多く感じられたような気がする。
次いで、すぐ近くの「市立美術館」へ。ここは今年2回目だ。2階で収蔵品の常設展と企画展をやっている。通常入場料金200円だが、一年間何度でも入れる年間パスポートが400円という破格の安さ。鹿児島の人ならいつもそれを財布に忍ばせておけば、ちょっと時間のあるとき、気軽に一流の美術に触れられるので、心豊かな気分じゃないかな?たとえ滅多に行かなくてもね。市立美術館の1階では「日本に向けられたヨーロッパ人の眼」という入場無料の写真展の初日。2時からの出品作家によるギャラリートークに参加してみた。イギリスとルーマニアからの写真家が、昨年、鹿児島で撮影した自分の写真について語る。キュレーターの方も参加されてたので、いろんな角度でのハナシが聞けて面白い。展覧会には、けっこうこのようなイベントが組まれているので、積極的に参加することで、何倍にも展覧会が楽しめる。
さて、私はこの日のうちに行きたいところがあった。栗野の「霧島アートの森」だ。市内からだと遠く感じるが、高速を使っていけば実は1時間ほどで着ける。最終入場は4時半までだが、私は3時45分には入場することができた。アートの森は、もちろん屋外のいたるところに設置された作品を見て回るのが醍醐味だが、すでに2回ほどじっくりとそれは楽しんでいるので、今回は屋内展示場の『コレクション展」が目的だ。過去、そのスペースで開催されていた企画展を見てきたが、収蔵作品を見たことがなかったのだ。「アートの森」のウエブサイトでそれらの作品を知ることができるが、それはなかなか興味深い作品が多い。閉館5時の10分前まで、それらをたっぷり堪能させてもらい、最後に屋外に出て、緑豊かな気持ちのいいオープンエアーを楽しんだ。美術の展示場はおおむね5時閉館というところが多い。しかし一日はまだまだある。鹿児島で夜もアートに接するところがいくつかある。その一つが市内繁華街の中心地天文館にある。その名も「天文館画廊」。ここは夜7時までオープンしている。1階は普段使いにいいオシャレな陶器を並べ、2階がギャラリーだ。私が訪れたときは日本でも最大規模の公募展「国展」に何度も入選している畠中チエ子さんの個展が開かれていた。作者も在廊されていて、作品を前にいろいろお話させていただいた。ギャラリーは無料で作品と作家に直接出会えるステキな場所だ。 そしてさらに遅くまで開いているアートな場所が紫原の高台にある「Mizuho Oshiro ギャラリー」だ。ここはセンスのいい喫茶「hanasakan cafe」が併設されている。クローズタイムは午後10時。この日は驚いたことに今をトキメク女性フォトグラファー「蜷川実花展」が開催されていた。カフェでは原色バリバリの作風である蜷川実花作品をイメージした創作ケーキが特別メニューとして用意されていた。ギャラリー鑑賞後さらに、美味しくて楽しいひとときが過ごせる実に心憎いサービスだ。このカフェは日中は桜島が眼前に迫り、夜は鹿児島の夜景が楽しめる贅沢なロケーション。鹿児島アート巡りの一日の最後を飾るには、これ以上の場所はない!そんな気分になること間違いなしの場所なのだ。