触れる造形展2007作品の紹介
●「触れる造形展2007」の展示作品の紹介 |
今回も、展覧会の趣旨にご賛同いただいた作家のみなさまに多くの素晴らしい作品をご出展いただきました。 普段では決して触れることのできない作品に来場者のみなさんも心ゆくまで触れることができたのではないでしょうか。 素晴らしい作品と温かい思いに心から感謝いたします。ありがとうございました。 |
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※ サイズはcm(W・D・H) | ||||
竹 道久 Take,Michihisa | ||||
緑の譜 95×38×173 石 | 雲 38×28×20 石 | |||
「緑の譜」は溶結凝灰岩。火山灰が積もり圧縮されてできた石。もろい。今回の石は花野産 | ||||
宮薗 広幸 Miyazono,Hiroyuki | ||||
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コココ・めでたし 120×200×110 木(クス) ※インスタレーション | ||||
根っこや曲がった部分など、木の形状をヒントに制作する。タイトルはあとから。 ※ インスタレーション とは、絵画、彫刻、映像、写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて空間全体を変化させ、 場所や空間全体を作品として体験させる 芸術。 |
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藤 浩志 Fuji,Hiroshi | ||||
ヤセ犬1 54×22×28 木 |
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パプアニューギニアでであったヤセ犬。 いつもは病気で毛がちぎれ、卑屈な目をしたぼろぼろの痩せ犬だが、年に数回だけ、人間と共同して野豚を追い込むとき、オオカミのような想像を絶する姿に変身する。その姿を見た瞬間から僕の人生は変わった。取り壊しになった家の柱を使って作った101匹いるうちの2匹。 詳しくは、 http://geco.jp/top.page/DogsWalk/YaseinuStory.htm |
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夢の鳥ー櫛 35×41×4 プラスティック | 夢の鳥ー世界のコイン 21×26.6×4 金属 | |||
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昔、東京には夢の島という廃棄物の埋立地があった、今はそこは緑地帯になってその周辺は東京でも新しいエリアとして開発が進んでいる。 夢の島と夢の鳥・・・廃棄物で集まって作られた物どうし。 字が良く似ているので最近このタイトルをつけている。 日々増殖し続ける日常から出る廃品やかえっこのおもちゃの欠片。それをつなげて「飛び立とうとすること」を作りつづける作品。 はたしてどこまで増え続けるか。 |
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要らなくなったおもちゃ類。ファーストフード等のおまけとして溢れたおもちゃをリング状につなぎ、それをパーツとして空間にちりばめたり、重ねたりしようとして制作中。 |
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ハッピーリング 37×27×27 プラスティック | ||||
クス タケシ Kusu,Takeshi | ||||
台風で折れた一本の木の枝。それを逆さまにすると三脚のように自立する。 これがコートとかかぎをかける家具として使えるのではないかと磨き、仕上げてみる。 その制作の途中で、アマガエルが掘り出されてしまった。 小さい存在のようだが、実は枝と一体になっている。 小さな存在に見えるものも、実は大きな存在の一部であるということを考えるのが面白いと思って制作したもの。 |
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木の枝のアマガエル 45×45×120 木の枝 | ||||
2005年 花柳二千翔の舞台の為、制作したもの。体は楠の木で、足が鉄。羽根などすべての模様はマジックペンで描いてある。 舞台の上に飾るのではなく、舞台の客席の後ろの高い位置に設置し、観客席に気配をつくろうと試みた作品。 |
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ホトトギス 25×10×15 楠、鉄 | ||||
明治維新から約137年 初めて鉄道が開通してから132年 西郷隆盛が城山で自決してから127年 上野に西郷隆盛と愛犬「ツン」の像が建立されてから115年。 鹿児島本線が門司まで全通してから95年、 鹿児島出身の安藤照が渋谷に忠犬ハチ公像を制作してから70年 秋田犬の忠犬ハチ公が病気で死んでから69年、 忠犬ハチ公像の作者安藤照が鹿児島に西郷隆盛像を作ってから67年、 渋谷の忠犬ハチ公像が金属回収令により回収されて60年、 安藤照の息子、安藤士によって忠犬ハチ公が再建されてから56年、 東海道新幹線が開業してから40年、 そして2004年鹿児島に新幹線が開通した。 |
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上野から旅してきた犬 55×30×56 廃材、他 |
「そんな時間を上野から旅した犬がいたとする。」
その犬の視線がみてきた |
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仲間と旅する黒猫 20×60×30他複数 アルミ、鉄 | ||||
33匹の仲間のいる黒猫。体はアルミ、台座は鉄。 福岡の博多リバレインビルのスーパーブランドシティのリニューアルのときに、 藤浩志のヤセ犬の模倣品としての黒猫の制作の依頼をうけて制作したもの。 藤浩志の作品の偽者を藤浩志が別名を語り制作するというゆがんだ状況に面白さを感じていた。 |
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濵田 出穂 Hamada,Izuho | ||||
慈愛 30×35×180、30×45×145 FRP,木 | 尊い命 20×35×90 FRP | 沈黙 60×30×35 テラコッタ | ||
ここ数年「人の喜び・祈り・悲しみ」を自分なりに表現してきました。「慈愛」「尊い命」は生命の誕生への想いを形にしたものです。さずかった喜び・誕生の喜び・成長の喜び・育む想いなど誕生から成長の間に感じる想いそのまま表したものです。今後も子どもの成長と共に新たな作品づくりをしたいと思っています。 「沈黙」は、今年の二科展に出品した「世の中って・・・」の一部です。感じ方は自由です。二科展は10体で構成しています。今回は2体です。素材は、テラコッタです。素焼きのことです。原型を粘土で成形して石膏型をとり、型に粘土をつめ、型抜きしたものを修正後に焼成したものです。 |
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浜田 昭人 Hamada,Akihito | ||||
〈絵本のあらすじ〉 深い海の底で生まれた ひとりぼっちのリューイは まだ見ぬ"ヒト"と "イロ"に会いに 旅にでました
水でできた森
そして
このお話は |
この作品は現在構想中の絵本「リューイの願い」の主人公である、白い不思議ないきもの=リューイを立体化したものです。 作品頭部の流木は、釣り好きの父が何気なく拾ってきたもの。その形と構想中の絵本とがリンクし、今回の制作開始となりました。 制作中、おちびさん(四才)がお手伝い◎「きりんさん、かわいい」といいながら重い金槌を幾度か振り上げたり、削った木片を片付けたりしてくれました。 |
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リューイの願い 140×80×130 木、セメント | ||||
川村 秀彦 Kawamura,Hidehiko | ||||
「遠くの風景」は、僕が最近まで住んでいた沖縄に数多く残る城跡から作品のイメージが生まれました。それらの城跡の中には、世界遺産の一部に指定される前は、ろくに保存や修復などされずに、そのためかえって廃墟としての美しさを持ったものもありました。そしてそれらの城跡群を眺めているうちに「僕だったらこんな形の城(建物)を作りたい。」と、勝手に想像して作った形がこの作品です。 | ||||
遠くの風景 40×40×11 ブロンズ | ||||
「吹く」は真夜中の砂漠の大きな岩の上に置かれた顔があり、その口からすうっと花が咲き始めた情景を作品にしました。言葉で説明したらこんな感じです。でもその顔はどこから来たのか?とか、はたして生きているのか死んでいるのか?とかは僕にもわかりません。 なんにもない真夜中の砂漠での出来事で、紙の上に描いただけではなんとも気が済まず、作ってみた作品です。 |
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吹く 20×13×12 ブロンズ | ||||
ヤマグチ アキコ Yamaguchi,Akiko | ||||
人体変異形態ゆらよん(Yの記憶)65×200 布ほか | ||||
他者からの記憶分裂形態ゆらよん(グルグルレッド) 布、綿 | ||||
2007年型ゆらよん分裂根っこ形態グルグルレッド 100×100 布、綿 | ゆらよん初期型分裂形態 30×15 布、綿 | |||
浸透 40×15×4体 テラコッタ | ||||
"ゆらよん"は、布でできています。それは、触れてほしい、なでて欲しいからです。私たちが赤ちゃんの時に最初に触れるものは、布(衣服)です。作者自身の想像の種から発芽して生まれた作品。細胞のようにくっついたり、分裂したり、動物や人間、植物になったりと変幻自在な作品が"ゆらよん"です。 人には、何十億という体の細胞の中に、人間が生まれる前の太古の記憶が今も蓄積されているのではないだろうか?というのが、"ゆらよん"のイメージの源であり、テーマです。 人になる前の生物でアメーバーやミトコンドリアなどの記憶が、今も私たちの体内に生き続けていたらどんなに楽しいでしょう!不思議なモノ、奇妙なモノが好きだったりしませんか?クラゲやミジンコ、苔、うみうし、泡、シャボン玉、水の中、潮の香り・・・それらも"ゆらよん"の記憶ではないでしょうか?その記憶が形として表れて、ゆらゆらと漂って生まれたのが"ゆらよん"です。 |
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桃北 勇一 Momokita,Yuichi | ||||
空へ 20×20×40 ステンレス | 希望の連鎖 20×20×40 ステンレス | たわむれる風 150×150×170 鉄 | ||
△の材質はステンレスです。ただの三角形を7つつないだだけですが、7つの三角形がおのおのつながっていく過程での面白さを表現しました。 □の材質はステンレスです。先日お見せしましたからご存知だとは思いますが、一つ一つを曲げて表情を付け、それを5つつなぎ足元に2つ置いて、「現実に起こりうるあらゆる事の中で、夢・希望は存在し、人は平等にそれらを持つことが出来るんだ」を表現しました。 題名(たわむれる風)は、自分の周囲を吹く風が「気持ちがいいな」と思えた時、実は風も私の周りで遊んでいて楽しんでいるとしたら、このような感じで遊んでいるのかな?と思って作りました。この作品についてはケガをしないように気をつけていただける範囲で、作品内をくぐってみてください。中に入って周囲に触れさせて下さい。ぶら下がったり、揺すったりしなければ大丈夫です。作者としては感想に大変興味があります。 |
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尾堂 孝司 Odou,Kouji | ||||
「KAME」 90×90×30 FRP | ||||
ゾウガメなどの陸に棲む亀の、固く重そうな甲羅を、鎧のような鱗で覆われたがっしりとした足で、ゆっくりながらしっかりと大地を踏みしめて歩く姿を見て静かな力強さが表現できたらいいなと思い制作しました。 ※※※ |